BRITISH BEAT CLASSIC - ルーツ系ブルース、R&B、ロックンロール・ガイド for ブリティッシュ・ビート・ファン -

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ボ・ディドリー(BEAT-NET編)

BEAT-NET:

BO DIDDLEY / BO DIDDLEY

数えたわけではないけれど
ロンドン出身の60年代ブリティッシュ・ビートに限れば、
あのチャック・ベリーよりもカバーされた数は多いかもしれないほどの、
超人気ブラック・アーティストがボ・ディドリーである。

なんでそんなに人気があったのかといえば
「カッコいーから」

で正直、終わりにしたいトコである。

あっ、もちろんカッコイーのはボのルックスのことではありません。
ボ自身も《 You Can't Judge A Book By It's Cover 》で言っております。

俺は農家のオッサンに見えるけど
人は外見で判断しちゃぁ、いけないよ・・・と。

顔はともかく、
例のジャングル・ビートをはじめ数々のファンキー・ビートは
激強烈濃厚なグルーヴっす。

さらにボのジャングル・ビート、例えば《 Bo Diddley 》(曲名です)と
バタバタした2ビート《 Hey Bo Diddley 》(曲名です・笑)」を合体させれば、
そのまま洗練されたモータウン・サウンドになる応用性さえ
秘めているじゃぁないですか。

しかし・・・なぜかビートルズをはじめとした
マージー・ビート系のバンドには
そんなカッコいーボ・ディドリーの曲は、ほとんどカバーされてませんし、
その独特のジャングル・ビートもとりいれられていません。

マージー・ビート系バンドのチャック・ベリー・カバーの多さに比べれば、
無視に近いほど。

マージービーツは前出の《 You Can't Judge A Book By It's Cover 》をカバーしているし、
ビートルズはデヴュー前には《 Roadrunner 》をカバーしてたりと
ボ・ディドリーのアルバムがリヴァプールにはなかったということではないだろうし、

「肌にあわなかった」
といわれてしまえば、それまでなんですが、
なぜそれほどカバーされなかったか。

それは、ライヴに集まるファンの志向性が
大きいんじゃぁないかなとおいらは思ってます。

ライヴにて
マージー・ビート系のファンが求めているものは
「騒げる」

一方、
ロンドンR&B系のファンがもとめているものは
「踊れる」

一言で言えば、こうでしょうか。

マージー・ビート系バンドのファンは、おそらく10代が主体。
いわゆる労働者階級と呼ばれるような人が多く集まり、
チャック・ベリーのビートのような直線的8ビートで
騒げたり、悲鳴をあげたりと日々のストレスを発散するのに適したサウンドが
ウケがよかったのではと思います。

ウケがよければ、そのテのレパートリーが増えるのは
当然のことでしょう。

一方、ロンドン系バンドのファンは、おそらく20代が主体。
後にモッズとよばれるような中産階級の人も多く、
ゆったりとスーツを乱すことなく踊れるボ・ビートのような
グルーヴィーなビートがウケがよかったのではないかと。

後にモッズが一般化し、ロンドンのクラブに集まる層も
10代の労働者階級が増えていくにしたがい、
ボ・ディドリー・ビートもよりハードに直線的なビートに変化していったのも、
ファン層の変化が大きいでしょう。

まぁウンチクはともかく
ボ・ビートが腰にグイグイッとくることには間違いありません。

ソロとなったポール・マッカトニーがサウンド・チェックに
ボ・ディドリーの曲をよくやるというのも、
ファンのウケを気にせず、ポール自らがグイグイッと盛り上がり
ライヴに向けてテンションを高められるからではないかと。

なんだかんだでボ・ディドリー。

やっぱり結局のトコ、とにかく気持ちよくなるから
「聴けー」
の一言で終わりにしたいのがおいらの本音ですが・・・

土田:コメント

>>客が望んでいるから論
→なるほどなぁと思いました!

あとボーのI can tellの間奏でギターをミュートで「チャッチャカ×4」ってやるじゃないですか。
ミック・グリーン大先生はもしかしてあのプレイに影響を受けたのかな?と思いました。
ボーはミック・グリーンとは違って単音でカッティングしてますが、あのリズム感はボー以外考えられません!



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