BRITISH BEAT CLASSIC - ルーツ系ブルース、R&B、ロックンロール・ガイド for ブリティッシュ・ビート・ファン -

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ビートルズ・ファンにオススメするルーツもの3

立川トレビアン:

Little Richard/The Georgia Peach
Little Richard/The Georgia Peach

ビートルズがいかなる音に影響を受けたか?
などという問いは、結局のところ語られそうで語ることができない宇宙の法則のようなものであろう。

例え4 人に多大な影響を与えたと思われる1ミュージシャンを取り上げてたとしても、
それは極矮小な断片にしか過ぎないのだ。

ミジンコみたいな存在だった生物が、
水戸黄門になって諸国を世直しして漫遊するようになったということは我々だって薄々気付いているのだが、
ミジンコがどのようにして水戸黄門になって 世直しに励んだのかということは、
文部省が押し付けたくだらなく怪し気な教科書からの請け売りにしか過ぎない。

それと同じようにビートルズの宇宙は音楽ファンが稚拙な知識でもって、
単純に説明できないほどでややこしいのである。

ブルースやR & Bを白人が黒人に対する唯一のコンプレックスとして
負の昇華をさせたものがロック・ン・ロールであるという定義にしたがえば、
ビートルズを語る上で、ロッ ク・ン・ロールのオリジネーターを語らないというのは、片手間だ。

そうなると、やはりロンパリ薄らハゲのビル・ヘイリーを無視できない。
そうなると、『ロック・アラウンド・ザ・クロック』を日本で最初にカバーした
ダーク・ダックスにまで話を広げていかなくてはならくなるし、
ダーク・ダックスにまで話が飛び火すると、やはりロシア民謡を語ることは不可避ではないか?

つまり、ビートルズのルーツがロシア民謡という意外な側面が見え隠れするようになるのだ。
ああ、実に恐るべきビートルズ宇宙!

そこで、リトル・リチャードなのだが、
彼もまたビートルズを取り巻く、断片の1つなのだが、他の断片とは少しばかり異質である。

まず彼の悪魔のごとき高音のシャウトは、ボーカルが歌を歌う人間の魂から、
周囲をお先っ走りにさせてしまう楽器であると宣言したのである。

アール・ パーマーのバスドラの異常性は、アールが気付いていない本質を
、 リトル・リチャードのブルース・リーが幼く見えてしまう怪鳥音が引っ張りだし、
スタジオで開花させたとしか思えない。

高音の悪魔のシャウトは、ポール・マッカートニーに多大な影響を与えたことになっている。
確かにビートルズでリトル・リチャードの曲をカバーするのは、ポール・マッカートニーと決まっている。

しかし、そうだろうか?

リトル・リチャードのロック性に目を向けていただきたい。
緻密さとずさんさがないまぜになっているのが、実はリトル・リ チャードの魅力であり、
それこそがロック・ン・ロールの真の姿なのだ。

おそらく、リトル・リチャードは、夜眠る時に、髪型を気にして、ナイト・キャップをかぶったり、
お肌を気にして、ドモホルンリンクルをたっぷり塗りたくったりしているだろうが、
絶対に歯磨きを忘れているはずだ。

チャック・ベリーというロック・レジェンドは、
「オレはチャックだ」という強引な理由で歯を磨かないかもしれないが、
リトル・リチャードの場合は、うっかり忘れてしまうところがミソなのだ。
これこそがリトル・リチャードの類稀なロック性である。

そんなロック性を1番精神的に受け継いでいるのが、ジョン・レノンだといえよう。
ジョンがガキの頃ケンカ好きな困った少年だったことはつとに有名だが、
気に入らない奴をぶん殴っている時に、ジョンが実はフルチンで殴っていたのでは?
と論じる者が少ないのが残念だ。

喧嘩が強ければ強いほどスタイリッシュに人をぶん殴りたくなるのが、人間の業であり、
「やっぱ格好よく殴り倒したいもんだ」
という我が人一倍強いのに、うっかりフルチンで家を飛び出してしまうジョン!
彼こそリトル・リチャードの正当な継承者ではなかろうか?

またはた迷惑という点でもリトル・リチャードはロックそのものである。
名曲『 O o h ! M y S o u l 』の叫びは、私には『オー・マサオ!」にしか聴こえない。
あの曲がラジオから流れた時、日本中にいたマサオさんのうち、
少なくとも3人が振り返ったという事実をみんな語らないのはどうしたもんだろう?

ニンニクを貪り3歳の頃から毎日夢精をしているとしか思えないリトル・リチャードの驚異の迷惑世界は、
ビートルズ、とりわけジョン・レノンに色濃く受け継がれている。

リトル・リチャードをゲイだとか、そういう部分で語ろうとしてはいけない。
彼の場合昂った性欲のはけ口を求めると、男女ではなく、
気持ちよくなるための穴にいきつくのだ。

アドレナリンが爆発しそうになると、坊主だって木魚の割れ目に欲情するものだ。
それを変態といいきっては、坊主の本質が見えないごとく、
リトル・リチャードの本質は、ポコチンをぶち込んだ穴の所有者にあるのではなく、
アドレナリンの趣くままに、T P O を選ばずポコチンをおっ勃てる彼自身の業にあるのだ。

そんなリトル・リチャードのアドレナリンがミッチリ詰まっている、
このベスト編集盤でビートルズの宇宙の法則のほんの一部を垣間みて、思いを巡らせても、
やはりそれは断片でしかないのか……。

Little Richard/The Georgia Peach
Little Richard/The Georgia Peach
Amazon詳細

土田:コメント

さすが立川師匠!参りましたm(_ _)m
私など足元にも及びません!あなたの様な凄いお方とこうしてお話が出来るという事が非常に嬉しいです。
地球に生まれて良かったあああああああ!

でもこのリトル・リチャード論がもしアマゾンレビューだったら

「10人中1人が参考になったと投票しています」なんて感じになるんでしょうね(笑)。
私は立川さんの影響を受けて、大多数の普通の人をそこそこ賛同させる様な広告みたいなレビューなんてクソ食らえ!
っていう考えが固まったんですよ。

「いいえ」にクリックする奴等は重箱の隅をつつく様な感覚で、
何か1つでも共感できない点があったら反対票を投じるのでしょうね。
だったらお前が書いてみろよこのクソボケが!って思ってます(笑)

そこの奥さん!
立川さんのリトル・リチャード論を言語無しでたったの2分で理解する手っ取り早い方法があるんですよ。

それは・・・
♪ア、ア、ア、フ〜×3のイントロで始まる、
原曲の美しさが良い意味で台無しになってしまっているBlueberry hillの爆笑バージョンを聴く事です!
ア、ア、ア、これを歌ったらめちゃ楽しいだろうなぁ♪



立川トレビアン:コメント

下品なリトル・リチャードのレビューで、
申し訳ありません。

しかし、私はロックというものは、
基本的には若者の荒ぶる魂のはけ口と捉えておりますので、
若者ゆえの性的暴走みたいなものの臭いが好きなんです。

したがってフルチンで、ギターを弾いているような、
いやもっといってしまえば、
ポコチンをしごいているといつの間にかギターになった
みたいなものが潔く美しいロックだと考えております。

そのため今後もフルチン、勃起、ポコチンみたいなフレーズが、
私のキーワードになってしまうでしょう。
しかし、俗にいうネットでの暴論みたいに捉えられては、
やはり本意ではありません。

もしそのようなフレーズが、
ロックというより2ちゃんねる的に独り歩きするようでしたら、
すぐに表現を変える準備はあります。

とはいえ私のロック観はゆるぎなく、
フルチンの美こそがロックであることに変わりないのですが……。


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