BRITISH BEAT CLASSIC - ルーツ系ブルース、R&B、ロックンロール・ガイド for ブリティッシュ・ビート・ファン -

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チャック・ベリー(BEAT-NET編)

BEAT-NET:

NEW JUKE BOX HITS / CHUCK BERRY

その名は、チャック・ベリー。

好きなトコもたくさんあるが、嫌いなトコもたくさんある。
しかし、偉大なお方であることには変わらない。

できればベスト盤を聴いたらオリジナル・アルバムも聴いてほしいトコ。
(チェス時代のね。)

ジョニーBグッド・パターンの、
ワン・アンド・オンリーなアーティストじゃなくって
その音楽性だけでも、奥はそこ抜けに深い。

さらにあの性格の複雑怪奇さ・・・

どこを切っても無限な才能と変人ぶりが
あふれ出している恐るべし人っす。

さて、ここではそんなチャック・ベリーの才能の一部分である
ギターの神様ぶりを2秒で味わえる曲を紹介しよう。

《 I'm Talking About You 》だ。

ベスト盤で聴いてもよいが、どうせならアルバム『 NEW JUKE BOX HITS 』でいこう。

ジャケットがいい感じだし、
ワン・パターンではない様々なチャック・ベリーが味わえるほか、
なんでもないのにカッコイー《 Don't You Lie To Me 》も聴けるのもマル。

さて『 NEW JUKE BOX HITS 』の1曲目、スタートと同時、
最初の2秒に集中あるのみだ。

このギターの神様は、
スムーズに速く弾くわけではない。

瞬時に他を黙らせるような印象的なフレーズ。
ここで勝負を決めてしまう。

ということで《 I'm Talking About You 》の最初の2秒で
おわかりいただけたかと思う。

もちろんその先もカッコ良さ全開。

そんなカッコイー曲だからしてカバーしたくなるのは当然。
ビートルズ、ローリング・ストーンズをはじめ
ヤードバーズ、パイレーツなどなどビート系バンド御用達。

ちなみにアニマルズがカバーしている
同名曲はチャック・ベリーとは別の曲なのでご注意。

おいらのイチオシはこの原曲のカッコよさを究極に表現したバンド、
ドクター・フィールグッド。

ライヴ盤『殺人病棟』で味わっていただきたい。

ドクター・フィールグッドは
語る(TALKING)相手(YOU)をカワイコちゃんから
飲み屋のネエちゃんに変えたことで下半身的にドッシリとした仕上げ。

これが泣かせてくれるくらい素晴らしい出来。

さらにドクター・フィールグッドは復活後も
『 CHESS MASTERS 』なるチェス・レーベル曲を集めたカバー・アルバムで
素晴らしい《 I'm Talking About You 》を残している。

しかし語る相手が実は男だった・・・てな感じがしないでも無い肉体感だ・・・

また、ウィルコ・ジョンソンはソロでもこの曲を再カバーするが
そちらはまぁご愛敬・・・
ちと語る相手を間違えたらしい。

大穴は、なんといってもホリーズである。
アラン・クラークは相手は誰でもによかった違いない。
何も考えずにでかい声で語りまくる。

グラハム・ナッシュ&トニー・ヒックスは、
いや、あの女はちょっと違うだろうとばかりに
軽くヒネリを入れようとしてる、まとまりの無さと勢いが実にいい。

ということで聴き比べも
この曲《 I'm Talking About You 》の魅力のひとつですな。

土田:コメント

「最初の2秒」シビれました!

最初の2秒のあの音は何て事ないフレーズ(とも言わない?)ですよね。
でもテクニック系ギターソロなんかよりも遥かに印象に残ります。
だいたいああいうイントロが他にあったでしょうか?
それが思いつくか思いつかないかは練習してどうにかなる物ではないと思います。

今日言われてみて初めてビートルズのI feel fineのイントロは
Talking about youに影響を受けてるのではないか?と思いました
(ちなみにリフはWatch your stepなんですよね)。

BEAT-NETさんは案の定ドクター・フィールグッドで来ましたか!
なら私は案の定パイレーツで行かせてもらおうと思います(笑)

LIVE AT DINGWALLS / THE PIRATES

Talking about youの世界最強バージョンはパイレーツのLive at dingwallsバージョンと断言します!
何でかっていうと、勢いと迫力、おまけに暑苦しさ(笑)、
そのどれをとっても他を圧倒してるからです!

特に好きなのが2回目のギターソロです!
上手いとか下手とかそんな下らねえ問題じゃありません。
こんなに「体で聴くギターソロ」が他にあるでしょうか?
私の事を応援して下さっている女性ファンの皆さん!ぜひとも教えて下さい(笑)

パイレーツの例のバージョンはヴィジュアル的にも最強なんですよ!
ていうのも「笑い所」が3つあるからです。

●全バンド中最も余韻が長いと思われる「あのイントロ」で、
その長〜い「間」を活かしてあくびのジェスチャーをするというミック・グリーン大先生の名作ギャグです!
その後「時速300kmで突っ込んでくる重戦車」の様な演奏が始まるという究極の「同と静」が素晴らしい!
●2回目のギターソロでミック・グリーンが配線かなんかにつまずいて、その後ニヤけます(笑)
●ヘッドバンキング兄ちゃんとミック・グリーンの息がぴったりです(笑)

以上の様に、ロックの神様と笑いの神様が両方降りて来てるのです!
このビデオを墓場に持って行くという私の考えは全く揺らぎません!

一番嫌いなのは...ミッシェルのバージョンです。
何でかって言うと、ノリが悪いからというのもありますが、
一番の理由は「あのイントロ」が無いからです(笑)

立川さん
ひとつ聞きたい事があるのですが、
Talking about youは誰のバージョンが一番好きですか?
唄ではなく演奏が良いと思うバージョンを教えて下さい。


立川トレビアン:コメント

『I'm Talking About You』で一番好きなバージョンですが、
やっぱりペタペタした質感がたまらない
オリジナルのチャック・ベリーのバージョンです。

ただ、いつものことながら、
私はロックのマヌケ美が好きなので、
フェイバリット・ソングは、
『マイ・ディンガリング』とか、
『ハバナ・ムーン』みたいな奴ですね。

あ、ストーンズがデビュー曲でカバーをした
『カモン』も痺れますね。

ストーンズのマヌケのはじまりは、
無意識に『カモン』をデビュー曲に選んだところだと思います。
だからこそキング・オブ・マヌケ、
あるいはキング・オブ・無意識として
今も頑張っているのでしょうね。


土田:コメント

ストーンズのCome on良いですね〜!
A面B面(僕イケメン!)の両方がマヌケですからねえ!ある意味最強シングルですね(笑) でもその次のシングルがビートルズの曲というもマヌケですよね(笑) Talking about youは一番だらしないストーンズバージョンで来ると思ってました。


BEAT-NET:コメント

>>ハバナ・ムーン
キースがチャック・ベリーで好きな曲ということで、
はじめて聴いた時はビックリしましたね。

ジョニーBグッド・タイプの曲は個人的に好きではないのですが、
この視点のおかげでチャック・ベリーが好きになりました。


土田:コメント

>>ジョニーBグッドタイプの曲は嫌い
→私はあのタイプ好きなのですが、
ジョニーBグッドはお茶の間にも浸透してる位あまりにも定番すぎるので
自分から能動的に聴く気にはなりませんね。

>>ハバナ・ムーン
→こういう変な曲もあるからこそ飽きないのでしょうね。
これとR&Rを融合させたのがAround & aroundだと思いませんか?
私はこっちの方がの変な所もあって好きです♪

何が変かっていうと、メジャーコードの曲にも関わらず
マイナーコード系の音をかなり前面に出したギターを終始弾いてる所です!

しかしストーンズのバージョンはその「変な要素」を抜いた
ストレートなメジャーコードの演奏なんですよね。

でも唯一オリジナルの変な要素を受け継いでる男がいます。
それはビル・ワイマンです!
間奏の後半(1:07〜1:21)のベースラインです!

これはハバナ・ムーンやアラウンド&アラウンドを象徴する様なマイナーコードの音なんですよ奥さん!
これは凄く興味深い演奏です。
ていうのもビル・ワイマンってこんな変わったプレイをする人でしたっけ?
(ちなみにオリジナルのベースラインはメジャーコードです)

これにより以下の事が考えられます。
●ハバナ・ムーンやアラウンド&アラウンドが最も好きなのはビル・ワイマン?
●オリジナル通りにマイナーっぽいコードでギターを弾いて変な感じになるのは
嫌だと思った(特にブライアン・ジョーンズ?)。
でも少しは味を残したかったので「隠し味」としてベースにやらせた。
●でもLove you liveではオリジナル通りにギターを弾いてるという事は、
キースは70年代になってからアラウンド&アラウンドのハバナムーン的な要素を好きになった?



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