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ローリング・ストーンズのルーツ、それも白人ロッカー2
BEAT-NET:
「ローリング・ストーンズのルーツ、それも白人ロッカー」
ちょっと白人ロッカーというにはオッサンですが・・・
***
ブルースマンへのインタヴューとかで、
「誰からブルース・ギターを教わった?」
とかの質問があると、
「伯父のダチがXXというブルースマンで
そこからブルース・ギターを教わった」
なんてことがある。
その場合、
「ママはそんな悪魔の音楽は聴いちゃいけないと泣きじゃくってたけどな」
とかいうのが最後のお決まり文句だ。
誰であれ興味を持った初期の段階で
実際に目の前にしたものには強く影響を受けるであろうし、
意識している、していないにかかわらず
そこで覚えたことは自然にどこかで染み出てくるもの。
ミック・ジャガー、そしてキース・リチャードらは
それまでレコードを聴きながら猿真似してみては、
スクール・バンドのセッションなどで楽しんでいたブルース。
それを目の前で本物ブルースを疑似体験した場が、
アレクシス・コーナーのブルース・セッションだったかもしれない。
それまで素人同士で、あーだこーだ言っていたものが、
実際に目前でプレイされるという衝撃は凄いものがあっただろう。
そういう意味でミック&キースに関して言うならば、
最も影響を受けた白人ロッカーは
アレクシス・コーナーのバンドでスライド・ギターを弾いていた
ブライアン・ジョーンズではないかと思える。
すでにセミ・プロであるブライアンのギター、そしてブルース・ハープを
生で見て聴いて、相当なショックを受けたに違いないのだ。
そしてその親分であるアレクシス・コーナーのバンドに参加して
少しでもそのフィーリングを身につけたいと思ったハズ。
1962年にロンドンのマーキー・クラブで録音したアレクシス・コーナーの
ファースト・アルバム『 R&B FROM MARQUEE 』の
1曲目で聴けるようなセッションに参加しながら、
ブルースを身体で覚えていったのであろう。
このアルバムを聴くとそんなミック&キースの初々しい姿が想像され、
当時の熱いなにかを少しは共有できるんじゃないかって気がしてます。
[補足]
ロンドンR&B界の大御所、アレクシス・コーナー (ALEXIS KORNER)について
アレクシス・コーナーのブルース・インコーポレイティッドに
参加したアーティストっていったら、
ローリング・ストーンズ関連では、
ブライアン・ジョーンズ、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、
そして、チャーリー・ワッツ。
さらにはポール・ジョーンズ、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカー
グラハム・ボンド、エリック・バードン、ズート・マネー、アートウッズ、
ダフィー・パワー、ロング・ジョン・ボルドリー・・・
挙げればキリがありません。
セッション的なグループであるブルース・インコーポレイティッドで、
ブラック・ミュージックにあこがれる若者を参加させ、
実践の場を与えるという先生みたいなお方です。
モジャモジャ・ヘアーでなかなかインパクトのあるルックスしてますが、
ご本人のギター・スタイルといえば、オーソドックス。
自身のヴォーカルはなかなかトホホ・・・
ブルースという形式というのにこだわりがあって
、
キースのチャック・ベリー的なギターはお気に召さなかったらしく、
その後のブリティッシュ・ビートとは違い、スピード感に乏しく、
ジャズ的なムードが強い。
なのでストーンズのサウンド面に関しては、それほどアレクシス・コーナーの
直接的な影響は感じられないが
ファースト・アルバムでのスイングする感じは
元アレクシス学校の名残かも。
アレクシス・コーナー学校では、
テクニック的なこと、バンドのノウハウを身につけるとともに、
ミック&キースの体内にビートを刻んでいた
チャック・ベリーのスピード感、ボ・ディドリーの怪しさ、
これらをブルースと合体させるというイメージが
次第に頭の中で形成されていったのであろう。
さらにはアレクシスのバンドに集まる同世代のスクール生徒たちの野心。
そこでの出会いやライバル心などから
自分達が求めるサウンドのアイデアが
より具体的になっていく当時の過程は
想像するだけでも実に楽しい。
R&B FROM MARQUEE / ALEXIS KORNER
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立川トレビアン:コメント
興味深く読ませていただきました。
想像の部分も入れつつ、
ストーンズとはなんぞや?
をBEAT-NET様の視点で捉えられ、
納得させられる部分がかなりありました。
音楽は無意識の影響力が強というのが
私の持論です。
特に無意識で大雑把なストーンズですので、
その意識外の世界の影響は、
本人達も気付いていないところで、
ムンムン漂っているはずです。
そんなわけで結局のところ、
私は60年代以降のロック・グループは、
多かれ少なかれエルヴィスの影響を感じずにはいられません。
ということで、
エルヴィスがストーンズのルーツである話を
まとめたいと思います。