BRITISH BEAT CLASSIC - ルーツ系ブルース、R&B、ロックンロール・ガイド for ブリティッシュ・ビート・ファン -

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ストーンズの好きな曲(BEAT-NET編)

BEAT-NET:

THROUGH THE PAST DARKLY / THE ROLLING STONES

いったい何があったのだろう?
あのシングルが発売されるまでの半年間に・・・

ローリング・ストーンズの代表曲《 Satisfaction 》はインパクトはあるものの
曲としては単調でまぁまぁレベルと思っている。

だけど、これまたローリング・ストーンズの代表作である
《 Jumpin' Jack Flash 》という曲。
どう考えても世紀の大名曲である。

キース・リチャーズによるギターのイントロからして実にセクシー。

そして曲開始数秒後、
やはりキースがプレイしたといわれるベースが舞い降りてくる。

さらにチャーリー・ワッツによる
あってんだか、あってないんだか微妙なタイム感のスネア、
そして絶妙なバスドラがいつのまにか溶け込んでる。

既にトロケそうな脳にくるのはミックの
「ワッッチュゥ(ワン・ツー)」。

あぁ、なんという至福のイントロ。
カッコいー、あまりにもカッコよすぎる。

なぜかライヴでは、この絶品オープニング部分がカットされてしまうが、
とにかく腰がブリブリッとしびれる導入部である。

その後おなじみのリフにのせて、
どこまでもカッコよく混乱にむけてつき進むサウンド。

やはりライヴでのビルのベースは、この有名なリフのラインを弾いて、
「俺がこのリフの発案者だっ!」
とアピールするが、あれもよろしくない。

このスタジオ・ヴァージョンとおりにドシっとルート主体で
いってもらわなければ、どうにもよろしくない。

ということで、誰がなんと言おうが、
スタジオ・ヴァージョンの《 Jumpin' Jack Flash 》こそ、
おいらの一番好きなローリング・ストーンズの曲である。

極みは間奏部分に出てくるマラカス。
これがシャカシャカと、なんとも気持ちいーではないか。

イントロ部分、歌メロ部分、
そして混沌としたアレンジでオルガンがメロディーを弾くエンディング部分
の3曲で構成されたようなロック・メドレー的な壮大さ。

これはアビー・ロードB面の先駆けだろうか?

しかも無理にひねり出した感が無い。
曲そのものの緊張感は物凄いのだが、
やけに自然体で作られたラフでストーンズらしい感触がある。

凄い、あまりにも凄いのだ。

1967年の12月に、あのサタニック・マジェスティーズが発売され、
その約半年後の1968年5月に出されたシングルが
この《 Jumpin' Jack Flash 》。

・・・で、ミック&キースに
このシングルが発売されるまでの約半年の間にいったい何があって
このような大傑作にいたったのだろうというコトである。

ブライアンがダメダメ状態でツアーに出ることもできず、
この期間に久々にいろいろな音楽をじっくり聴けたということらしいが
《 Jumpin' Jack Flash 》は、
これまでのようにブルース、R&Bルーツが直接的に見えないサウンド。

ブラック・ミュージックも消化し、
同時代のサウンド、文化などあらゆるものを吸収。

それらを飲み込んだ結果が、
これぞローリング・ストーンズという曲である。

これが立川さんの言っているストーンズ宇宙が、
星となった結果なのか?

いったいぜんたい、なにがどうなったら
こういう曲が生まれるのでしょうか?

不思議で不思議でなりません。

立川トレビアン:コメント

OTIS BLUE / OTIS REDDING

『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』は、
満場一致の名曲ですね。

大変頭の悪そうな歌詞も、
ストーンズの当てずっぽうぶりがよくでていますし、
ロックとはと語ることができる名曲です。

またBEAT-NETさんの指摘も嬉しく思いました。
ブルースやR&Bを昇華させたというか、
本当にそこなんですよね。

例外的にストーンズはその後も『メイン・ストリートのならず者』で、
トンマなドブルースぶりを披露するんですが、
60年代を生き残った才能のあるグループのほとんどが、
ある時から脱ブルース路線に向かっているような気がします。

もちろん、否定に回ったというわけではなく、
リスペクトはしつつも、
ブラック・ミュージックになりきれないもどかしさから、
ビートルズをはじめとするグループが、
新しい道を模索した結果とでもいえばいいでしょうか?

異論はあるかもしれませんが、
オーティスが『サティスファクション』をカバーした瞬間から、
オリジナルであるストーンズは、
完全にトホホですもんね。

しかし、オーティスにやられたからこそ、
白人ミュージシャン達は、
ロックに奇跡を呼んだのではないでしょうか?

土田:コメント

Jumping jack flash論、100%同じ事を思っておりました!

3ヶ月位前にラジオで例の映画(Shine何とか)のライブ・バージョンがかかって
「スタジオバージョンと比べると全然腰が動かないしつまんねえ演奏だなぁ」と思ったんですよ!

1969年のハイド・パークの時点でもう既に「クソバージョン」に変わっちゃってるのが
本当に残念ですよね。意味が分からん!(笑)
私も「あと1曲選べ」って言われたらこれを選ぶ位スタジオ・バージョンは好きです!


ちなみにJumping〜のベースは絶対ルートの方が良いですよね。
逆にDay tripperはルートじゃないのが功を奏してるという所が
一筋縄では行かない音楽の奥の深さですよね。

Jumping jack flashのスタジオバージョンのベースがカッコイイのは、
同じ音を鳴らし続けながらも実はルートだったり
微妙にルートじゃなかったりするからではないでしょうか。

楽譜的な事は知りませんが、
例のジャッジャー、ジャジャジャー、ジャジャジャー、ジャジャジャの前半と後半では
微妙にコードが違うのかもしれません。

要するにライブバージョンの方がむしろルート的な演奏なのでつまらないのかなぁと思いました。
これはチャットモンチーのベースが良く使う手口なんですよ。

あと、ちょっとマニアックになっちゃいますが、
間奏(1:37)で一瞬テープが歪んだ様な音になっちゃう所も
ストーンズらしさを助長してて個人的にはツボです(笑)。

BIG HITS / THE ROLLING STONES

これは19回目の神経衰弱のフェイド・アウトのちょっと前でも聴けますね
(とは言っても最近のリマスター音源では修正されてるかもしれないが)。


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