BRITISH BEAT CLASSIC - ルーツ系ブルース、R&B、ロックンロール・ガイド for ブリティッシュ・ビート・ファン -

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キンクスを形成した音は何か?(土田編)

立川トレビアン:

KINKS / THE KINKS

今回のお題は
ブリティッシュ・ビートのルーツを探るという原点に戻って、
『キンクスを形成した音は何か?』でお願いします。


土田:

まずキンクスのルーツを語る前に決着を付けておくべき事があると思うんです。

それは、初期のR&BのカバーやYou realy got me系の曲は
完全にシェル・タルミーの趣向であってキンクスの本質ではないのでは?という事です。

キンクスの代表曲は問答無用でYou realy got meですが、
私が思うにこの曲が最もキンクスらしくない。
この曲がキンクスを解り辛くしていると思います。

何の根拠も無い暴論ですが、あのリフ(「抱きしめたい」の影響?)及びその他アレンジは
全てシェル・タルミー(及びその仲間?)によるものではないかと憶測しています。

アルバムとかを聴いててもこの曲だけは
同じバンドとは思えない何か物凄い違和感があるんですよ!

初期のこのバンドのリズム感は完全にスキッフル(特にロニー・ドネガン)が
身体に染み付いちゃってると思います。

それが最も表れてるのがチャック・ベリーのカバー、
特にToo much monkey businessの別バージョンです!

まるで日本のドリフターズのコントの様な演奏です(笑)。
問題はこれを本気でやったのか、あるいは笑いを取るためにやったのかどっちなんだ?という事です。

あれを本気でやってたんだとしたら、
この人達はR&Bは勿論の事R&Rにもあまり興味無いのだと思います(笑)

ロニー・ドネガンをイギリスのロックのルーツ物として勧める場合、
どのバンドが好きな人に最もオススメか?と訊かれたら間違いなくキンクスです!

芸風的にはフレディー&ドリーマーズが最も影響を受けてそうですが、
あっちは演奏も唄もサウンドもバディー・ホリー的ですからね。

じゃあキンクスやマージービート特有の哀愁の漂ったメロディーも
ロニー・ドネガンかというとそうでもない所がややこしい!
こういうのは誰の影響なんでしょうね?
私は50年代以前のイギリスの音楽を知らないので解りません。

ブリティッシュ・ビート世代は子供の頃どんな音楽を聴いてたんでしょうかね?
クラシックとか民謡フォークソングを親に聴かされてたんでしょうかね?
哀愁メロはそのイギリスの民謡に何かヒントがあるような気がします。

立川トレビアン:

実に面白く読めました。
実際私もロニー・ドネガンの線で語ろうと思っていましたので、
先を越された感じです。

ほかのネタを集めなくては……。


土田:

COLLECTION / LONNIE DONEGAN

今日は仕事が休みで天気が良かったので桜と冨士山の写真を撮るために冨士山麓一周ドライブをしてきました。
※ちなみに写真を撮りに出掛けたのにカメラを持っていくのを忘れました(爆笑)

冨士山はロックンロールなのです!
なぜなら世界一シンプルな形でありながら世界一カッコイイ、
理屈抜きで感動する山だからです!
そして底抜けに奥が深い!
見る角度や季節や時間によって様々な表情を見せます。

この奥の深さはビートルズです!
遠く(首都圏)から見る=有名な曲→美しい=Yesterday。
凄い近くで見る=マニアしか聴かない曲→迫力がある=スタークラブやホワイトアルバムC面など。

持参したCDはもちろんキンクスとロニー・ドネガンとフレディー&ドリーマーです。これらを聴いて思った事・・・
●私は基本的にはテンポが速くて明るい曲が好きな人間のはずなのですが、
ロニードネガンの曲はあまり好きになれない。→速けりゃ良いってもんではないらしい。
あと一本調子の明るさよりも微妙な哀愁が混ざってる方が良いらしい。
●そういう意味ではフレディーの方が良い。
●何でキンクスが4大バンドに入ってるんだ? 自分は・・・
1、ビートルズ
2、ストーンズ
3、スモール・フェイセス
4、フー
5、デイヴ・クラーク・ファイブ
6、ホリーズ
に次いで7番目位だと思うんですけど(笑)。
通の間では評価が高いらしいですけど

自分みたいな歌詞や歴史に興味の無い人間にとってはそんなに言うほど魅力のある「音」ではありません。
You realy got meが無かったらもっと下になると思いますよ。
だから私はキンクスのファンというよりは「シェル・タルミーのファン」ですね(笑)。
しかもYou realy got meよりも、
その曲を意識して作ったフーのI can't explainの方が好きですからねえ(こっちの方が腰が動きますから)。

→ゾンビーズを忘れてたので8番目に修正します!
さらに主観で言うとアニマルズ、クリエイション、アタック、ズートマネーの方が好きです。


BEAT-NET:

YOU REALLY GOT MEのシェル論、有りだと思います。

たしか、シングル発売前からライヴではプレイしていて、
好評だったということから、曲自体は存在していたようですね。
当初はR&B調だったらしいですが。

ファースト収録のインスト《 Revenge 》が、
YOU REALLY GOT MEに似てますが、
後にジミー・ペイジもソロでパクってるように、
シェル・タルミーがらみから、あのセッション中に
YOU REALLY GOT MEのアレンジに繋がっていったような。

でもあのリフはデイヴ!と希望も含めて思っています。

ビートルズとジョージ・マーティンのPlease Plase Meみたいに
シェルはテンポを速めてビート色を出すよう要求したってトコでしょうか。

キンクスの哀愁メロは、
家族でピアノを囲んで歌っていたというのにヒントがありそうです。

となると家族で歌うとなれば、イギリス民謡あたりでしょうから、
立川さんの無意識論的なところが大きい気がします。

> ●何でキンクスが4大バンドに入ってるんだ? 自分は・・・
言われてみるとそうですねぇ。確かに4大バンドというには地味です。
個人的には
1、ビートルズ
2、ストーンズ
3、キンクス
4、フー
というのは、違和感がなかったですが。

土田:コメント

>>You realy got meの当初のバージョン
→逆にもっとテンポの速い例のスキッフルみたいなリズムだったのかも?
あの曲だけは腰が座ってるというか、どっしりしたビートが不自然です。
まるでフーの1stやクリエイションみたいです。


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